2026年11月3日時点の情報
BioRenderの無料版でできること・できないこと
BioRenderは無料で使えますが、無料版(BioRender Basic)のまま書き出した図は論文に使えません。一方で、学会ポスターや発表スライド、大学に提出する卒論・修論には使えます。用途ごとの可否、無料版の制限、料金と学生プラン、論文に使うときの条件を、BioRenderの公式情報からまとめました。
先に結論
無料版で使える
学術目的の学会ポスターと発表スライド、未出版の卒論・修論・博士論文、科研費などの申請書(非公開)、研究室のミーティング、授業、個人のブログやSNS(収益なし)。
無料版では使えない
学術誌の論文と表紙、出版される学位論文や書籍、非営利団体のウェブサイト、企業の資料などの商用利用。
論文に使うには
有料プランの期間中に図を書き出し、出版ライセンスを発行します。Academic Individualは年払いで月$35です(個人プランは著者順の条件あり)。
用途別:無料版で使えるか
BioRenderのライセンス条件(Basic License Terms)とヘルプセンターの用途別の表をもとにしています。
| 用途 | 無料版(Basic) | 有料のAcademicプラン |
|---|---|---|
| 学術誌の論文 | 使えない | 使える |
| 学術誌の表紙 | 使えない | 使える |
| 出版される学位論文 | 使えない | 使える |
| 大学の図書館・機関リポジトリで公開する卒論・修論・博士論文 | 使える | 使える |
| 学会ポスター(学術目的) | 使える | 使える |
| 学会発表・セミナーのスライド | 使える | 使える |
| 科研費などの申請書(非公開) | 使える | 使える |
| 研究室のミーティング | 使える | 使える |
| 授業のスライド・課題・試験 | 使える | 使える |
| 個人のブログ・SNS(収益なし) | 使える | 使える |
| 非営利団体のウェブサイト | 使えない | 使える |
| 非営利の教科書(5点以下) | 使えない | 使える |
| 企業の資料・広告などの商用利用 | 使えない | Industryプランが必要 |
- 印刷物やウェブに載せるときは、図の近くに「Created with BioRender.com」と表記する必要があります。
- 無料版で書き出した図の透かし(ウォーターマーク)を消すことは禁止されています。
- 学位論文を学外の大規模なデータベースに収録する場合は、Academicプランが必要とされています。
- 2022年ごろの記事には「無料版は学会発表にも使えない」と書かれているものがありますが、2026年11月時点の規約では、学術目的のポスターと発表は無料版でも認められています。
無料版の制限
使える用途とは別に、機能にも制限があります。
- 作れる図は3点まで
- 1つのキャンバスに配置できる要素は50個まで
- 書き出した図には透かしが入り、高解像度では書き出せない
- BioRender Graphing(グラフ作成)は1ファイルまで
- AI機能は、無料で付く少量のクレジットの範囲で試せる
- PowerPointアドインでのファイル更新は月2回まで
14日間のFree Trialとの違い
Free Trialでは有料プランの機能を14日間試せますが、クレジットカードの登録が必要で、期間中に解約しないと有料プランに切り替わります。Free Trialにも出版の権利と高解像度の書き出しは含まれず、透かしも入るため、トライアル中に作った図も、そのままでは論文に使えません。
BioRenderの料金(Academic)
大学・研究機関向けのAcademicプランの料金です(米ドル)。企業の方はIndustryプランが別にあります。
| プラン | 料金 | 論文への掲載 |
|---|---|---|
| BioRender Basic(無料) | $0 | 不可 |
| Academic Individual | 年払いで月$35(月払いは月$39) | 可(第一著者、ラストオーサー、共同シニアオーサーの場合のみ) |
| Academic Lab | 5人分で月$99(年払い。月払いは$129)。6人目から1人月$20、最大19人 | 可(著者順の制限なし) |
| Institution | 20人以上。要見積もり | 可(著者順の制限なし) |
| 大学院生(Graduate Student) | 最大50%引き | 可(Individualと同じ著者順の条件あり) |
| ポスドク(Postdoc) | 最大35%引き | 可(Individualと同じ著者順の条件あり) |
| 学部生(Undergraduate) | 最大70%引き(4か月ごとに$20) | 不可 |
AIで図を作る機能は月$4からの追加料金、BioRender Graphingは1人月$15(年払い)の追加料金です。
学生料金の条件
- 大学のメールアドレスで登録すると、アップグレードの画面に学生料金が表示されます。学部生の料金は在籍の確認が条件で、BioRenderへの問い合わせが案内されています。
- 個人のクレジットカードで自費で支払う場合のみ対象です。研究室や研究費で支払う場合(立替払いで後日精算する場合を含む)は、Academic IndividualかLabを選びます。
- 学部生プランには論文に掲載する権利がありません。
月払いはクレジットカードのみです。複数人の年間ライセンスは、発注書(PO)と請求書での支払いにも対応しています。
BioRenderの基本の使い方
ブラウザで動くので、インストールは不要です。画面は英語のみですが、ヘルプセンターには日本語の記事があり、サポートへの問い合わせも翻訳ツールを通して各言語で受け付けています。
- 01
大学のメールアドレスで登録する
学生料金は、大学のメールアドレスで登録した場合にアップグレードの画面に表示されます。
- 02
テンプレートか白紙から始める
分野別のテンプレートを選んで書き換えるか、白紙のキャンバスに組み立てます。
- 03
アイコンを配置し、矢印と文字を加える
アイコンを検索してキャンバスに置き、色や大きさを変えて、矢印とラベルで関係を示します。
- 04
書き出す
無料版は透かし入りで書き出されます。発表に使う場合は「Created with BioRender.com」を添えます。
論文に使うときの手順と条件
BioRenderの図を論文に載せるには、有料プランで「出版ライセンス」を発行します。
- 1有料プランの期間中に「Export」を開き、出版ライセンスの項目にチェックを入れて、図のタイトルと論文の情報を入力します。オープンアクセス誌かどうかも選びます。
- 2ライセンスのPDFと、図ごとの引用表記(「Created in BioRender. 氏名 (年). BioRender.com/…」の形式)が発行されます。図の説明文、参考文献、謝辞のうち、投稿先が求める場所に入れます。
- 3Academic Individualと学生・ポスドクのプランでは、自分が第一著者(共同第一著者を含む)、ラストオーサー(最終著者)、共同シニアオーサーのいずれかでなければ掲載できません。中間の著者として共著論文に図を提供する場合は使えません。Lab以上のプランでは著者順の制限はありません。
- 4無料版で作った図も、有料プランにしてから書き出せば対象になります。逆に、有料プランを解約したあとに書き出した図には権利がありません。解約前に書き出してライセンスを発行した図は、解約後も使えます。
- 5出版ライセンスは、投稿時ではなく受理後に求められるのが一般的です。
論文用の図を無料で作りたいときの選択肢
まず研究室の契約を確認する
研究室や大学でLabやInstitutionのプランを契約していれば、そのメンバーとして使えます。著者順の制限もありません。
Inkscapeと無料の素材で作る
Inkscapeは無料のベクター描画ソフトです。素材は、TogoTV(CC BY 4.0)やServier Medical Art(CC BY 4.0)、Bioicons(アイコンごとにライセンスが異なる)が使えます。各ライセンスの条件どおりにクレジットを書けば、論文にも使えます。時間はかかりますが費用はかかりません。
Scientific Figure Generatorで文章から作る
描きたい内容を日本語で書くと、AIが構成を提案してから図を作ります。新規登録で3枚分が無料で、無料分で作った図も有料と同じ条件で論文や発表に使え、図ごとにライセンス証明書(PDF)を出せます。ただし、AIで作った図を認めるかどうかは投稿先によって異なります。
BioRenderとScientific Figure Generatorの違い
| BioRender | Scientific Figure Generator | |
|---|---|---|
| 作り方 | アイコンやテンプレートをキャンバスに並べる。AIで図を作る機能は追加料金 | 文章で依頼すると、AIが構成を提案し、承認してから図を描く |
| 向いている図 | 豊富なアイコン集で組める生命科学の図。要素を1つずつ手で直したい図 | アイコン集にない装置や生物、仕組みの図。生命科学以外の分野の図 |
| 修正 | 要素ごとにドラッグして編集する | 直したい部分を囲み、文章で指示する |
| 無料で論文に使えるか | 使えない | ライセンス上は使える。ただしNature Portfolioは原則不可など、投稿先のAIの方針しだい |
| 書き出し | 無料版は透かし入りで標準解像度。有料版は高解像度で、PowerPointで編集できる形にも書き出せる | PNG(1Kまたは2K)。透かしなし |
| 料金 | 年払いで月$35から(Academic Individual)。図の数は無制限 | 新規登録で3枚分が無料。その後は月$9.90で20枚分、または買い切り$9.90で15枚分から |
| 学術誌での扱い | 手で組み立てた図は、通常のイラストと同じ扱いが一般的。AI機能を使った場合は、投稿先によって生成AIの利用として申告が必要になることがある | 生成AIの画像として扱われる。2026年10月時点で、Nature Portfolioの各誌は原則不可、Science誌などAAASの各誌は編集者の明示的な許可が必要 |
毎月たくさんの図を作るなら、BioRenderの定額プランのほうが1枚あたりは安くなります。年に数枚なら、買い切りのほうが費用を抑えられます。
出典(BioRender公式、2026年11月3日確認)
- 料金ページ(Pricing)
- Licensing and usage of figures made in BioRender
- Basic License Terms
- BioRender BasicとFree Trialの比較
- 学生プラン(Student Plans)
- Author listing requirements for publishing BioRender figures
BioRenderは各権利者の商標です。このページはBioRenderと提携・関係はなく、同社の公開情報をもとに独自にまとめたものです。

