論文の要旨やPDFから
グラフィカルアブストラクトの作り方
グラフィカルアブストラクトは、論文の要点を1枚の図で伝える視覚的な要旨です。このページでは、作り方の手順と分野別の例、投稿先ごとのサイズをまとめました。下の欄に要旨を貼り付ければ、AIが構成を提案し、承認後に図を作成します。
PDFはブラウザ内で読み込まれ、アップロードされません。送信されるのは上の要旨だけです。
- 描く前に構成を確認
- 1Kの作成は1枚分
- 新規登録で3枚分が無料
- 透かしなし
グラフィカルアブストラクトとは
グラフィカルアブストラクト(Graphical Abstract、GA)は、論文の主な結論や研究の流れを1枚にまとめた図です。ジャーナルの目次や論文のページで文章の要旨と並べて表示され、読者が論文を読むかどうかを判断する手がかりになります。
Elsevierの多くのジャーナルやCell Pressのジャーナルなどが、提出を求めたり推奨したりしています。必須かどうかはジャーナルごとに異なるため、投稿規定でご確認ください。
本文中のデータの図とは役割が異なります。データを詳しく見せるのではなく、何がわかったのかを一目で伝えるための図です。研究の全体像を1枚で示すという考え方は、申請書や学会発表のスライドに載せる概要図にも使えます。
作り方の5つのステップ
どのツールで作る場合でも共通する手順です。
- 01
伝えたい結論を1つに絞る
論文の内容をすべて載せることはできません。読者に最も伝えたい発見や手法を1つ決め、それを中心に組み立てます。
- 02
流れの向きを決める
背景→方法→結果のように、左から右へ(または上から下へ)一方向に読めるようにします。中心から放射状に広げる構成や、循環させる構成もあります。
- 03
ラフを描く
手描きやPowerPointで、要素の配置をいくつか試します。文字は短いラベルだけにし、文章は入れません。
- 04
清書して規定に合わせる
ツールで清書します。アイコンや線の太さをそろえ、色は役割のある2〜3色に絞ります。投稿規定のサイズ、縦横比、解像度、ファイル形式を確認し、縮小して表示されても文字が読めるかを確かめてください。
- 05
第三者に見てもらう
別分野の研究者など、内容を詳しく知らない人に見せて、一目で伝わるかを確かめます。
ツールの選び方
清書に使うツールは、慣れと投稿先の規定で選びます。
- PowerPoint
- 多くの研究者が使い慣れており、図形とアイコンで組み立てられます。スライドのサイズを投稿先の縦横比に合わせてから作り始めると、書き出し後の調整が減ります。
- Illustrator・Inkscape
- ベクター形式で線や文字を細かく調整でき、拡大しても劣化しません。Inkscapeは無料で使えます。
- BioRender・Mind the Graph
- 生命科学系のアイコン素材が豊富な、科学系の図に特化したツールです。ライセンス済みの素材で作った図が求められる場合に向いています。無料プランの利用条件は各サービスでご確認ください。
- このページ(AI)
- 要旨から構成案を作り、承認後にAIが図を描きます。たたき台を早く作りたいときに向いています。汎用の画像生成モデルを使うため、投稿先のAIに関する方針を必ずご確認ください。
このページで作る手順
このページの入力欄からは、次の3ステップで作成できます。
- 01
要旨を貼り付ける
要旨を貼り付けるか、論文のPDFを選びます。英語の要旨も日本語の要旨も使えます。
- 02
構成を確認する
AIが要旨から背景・方法・結果をそれぞれ1文にまとめ、描く要素と図中のラベル、使用する枚数を示します。承認するまで図は作成されず、直したい点はその場で伝えられます。
- 03
作成して仕上げる
図はキャンバスに表示されます。直したい部分を囲んで修正し、無料のラベル確認で誤字をチェックしてから、PNG(1Kまたは2K)でダウンロードします。印刷用の2倍アップスケールや、編集できるPowerPoint・SVG(ベータ版)の書き出しもできます。
グラフィカルアブストラクトの例
Scientific Figure Generatorで作成した8つの例を、構成のパターン別に紹介します。掲載論文の図ではなく、このツールの作例です。図中の文字は英語です。
- 左から右へ流れる型
- 左に入力、中央に手法、右に結果を置く、最も一般的な構成です。手法やツールの論文に向いています。
- 中心を囲む型
- 研究対象を中央に置き、手法や解析項目、データの流れを周りに配置します。特性評価や、並行して行う測定に向いています。
- 2つを並べる型
- 現象の仕組みと、観測される信号を左右に並べ、対応する位置をそろえます。物理学、天文学、計測の研究に向いています。
- 循環型
- 段階を円形に並べます。材料の再利用や治療のサイクルなど、循環すること自体が論文の要点である場合に使います。








8つの例に共通すること
- 主張は1枚に1つ。研究の全体ではなく、1つの発見か1つの流れを示しています。
- 読む向きは1つ。左から右、中心と周囲、円に沿ってのいずれかで、2つの向きを混ぜていません。
- ラベルは8〜12個程度。ジャーナルの段幅に収まる量です。
- 色には役割を持たせ、強調色は結果や警告など意味のある箇所だけに使っています。
- 論文にないデータは描かず、仕組みと流れを中心に示しています。光度曲線や強度分布も、値を読み取るためではない模式図です。
投稿先ごとのサイズ
2026年10月12日時点の情報です。規定は変わることがあるため、投稿前に最新の投稿規定をご確認ください。
| 掲載先 | 求められる形式 | このページの形式 |
|---|---|---|
| Elsevierのジャーナル | 幅1328×高さ531ピクセル以上(300dpi)、縦横比5:2。高さ200ピクセルに縮小しても文字が読めること。 出典 | 比率が最も近いのはバナー型(21:9)です。ただし、Elsevierは汎用の画像生成AIによるグラフィカルアブストラクトを認めていません(下の「AIで作る場合の注意点」を参照)。比率の参考として、5:2ちょうどにするには上下を切り詰めるか、左右に余白を足します。 |
| Cell Pressのジャーナル | 1枚構成の正方形で、要点が一目でわかること。1200×1200ピクセル(300dpi)とする解説が多いものの、正式な値は各ジャーナルの規定でご確認ください。 出典 | 比率が合うのは正方形(1:1)です。ただし、Cell PressもElsevierと同じく、汎用の画像生成AIによるグラフィカルアブストラクトを認めていません。 |
| スライド・ポスター・SNS | 決まった規定はありません。16:9ならスライドや多くのSNSのプレビューに合います。 | 横長(16:9)を選びます。 |
AIで作る場合の注意点
AIで作成したグラフィカルアブストラクトを受け付けるかどうかは、出版社やジャーナルによって異なります。2026年10月時点で確認できた主な方針は次のとおりです。
- Elsevier・Cell Press
- 汎用の画像生成AIでグラフィカルアブストラクトを作ることを認めておらず、ライセンス条件が明確な、科学系の図に特化した専用ツールを勧めています(2026年6月更新の方針)。使ったツールは図の説明文に記載します。
- ACS
- 目次用のグラフィック(TOCグラフィック)に、AIで生成した画像を使うことを認めていません。
- Nature Portfolio
- 生成AIによる画像の掲載を、原則として認めていません。
- Scienceのジャーナル
- 編集者の明示的な許可がない限り、AIで生成した画像を掲載しません。
- PLOS、Wiley、MDPIなど
- 説明のための図として、AIの使用を開示すれば認めています。
このツールについて
Scientific Figure Generatorは、OpenAIの画像生成モデル(標準はGPT Image 2.5 Flare)で図を描いています。そのうえで、要旨から構成案を作って承認を得る手順、無料のラベル確認、部分修正と版の管理、ライセンス証明書の発行など、論文の図向けの機能を備えています。描画に使うモデル自体は汎用のもので、そのことは証明書とAI利用の記載文にも明記されます。どの出版社からも認定や承認は受けていません。投稿規定がはっきりしない場合は、投稿前に編集部へ問い合わせてください。ライセンス済みのアイコン素材で作った図が求められる場合は、BioRenderやMind the Graphをお使いください。
Elsevierの生成AIに関する方針(英語)AIがしないこと
- 要旨にない結果や数値、効果量を描かないようAIに指示し、構成案の段階でご自身が確認できるようにしています。数値を使う場合は、要旨の記載どおりに使います。
- グラフや軸は描かないよう指示しています。グラフがあると、要旨にない値を示しているように見えるおそれがあるためです。
- 内容の正しさは保証しません。ラベルは必ず論文と照らし合わせて確認してください。

